2017年12月15日金曜日

こんにちは、今年一年副将とFWリーダーを務めさせていただいた牧野です。
早いもので、僕のラグビー人生でついに最後の試合を迎えようとしています。
振り返ってみると、僕はラグビーと共に成長してきたと言えるくらいラグビーに影響されている気がします。
前に多少書いた気がしますが、最後だし、研究の中間発表も終わり暇なので僕とラグビーの物語でも書こうと思います。

ラグビーに出会ったのは高校の時。僕の行った高校はラグビー部が全国大会に出たり、毎年愛知県ベスト4に入るくらいの強豪の公立高校でした。家に近いから行っただけですが。そんなところで僕がラグビーをやろうと思ったのは多分僕の中学時代に起因します。

僕は中学時代かなり腐ったやつでした。ヤンキーでもなく、腐ったやつ。
野球部に所属していたのですが、僕は運動神経があまり良くなかったので、かなり下手くそでした。しかも兄が同じ野球部に所属していて、かなり上手くて期待されて下手だったので、まあつまらなかったのでしょうね。入って半年で練習を無断休みするようになり、朝練を行かなくなり、部活に行ってもヤンキーみたいな奴と部室で漫画読んだりだべったりしていました。部活では先生を切れさすのが楽しみだった気がします。練習試合は行くのですが、公式戦は出れないからいく意味ないと行かなかったり、行ってもだるいので始まったらすぐにどっかでヤンキーみたいな奴と遊んで終わり頃に帰ってくるという感じでした。ベンチにいなきゃ行けない時は寝てました。最後の試合は流石に行って、負けた瞬間やったー夏休みだと言ってました。キャプテンとは何回か喧嘩した気がします。まあそれだけでなくいじめしたり、授業中も鬼ごっこしたり、ゲームしたり。また、多くの法律に反する行為をした気がします。(これについては警察のお世話に何度かなりケリはついてます。指紋スキャンされました。)中2の時には先生にのたれ死ねとまで言わせました。笑
何というかヤンキーという感じではなくて、弱っちいやつで、何もない自分にアイデンティティが欲しくて、他人ができないことをして自分を見出すみたいな感じでした。ジョジョの「さすが、ディオ!おれたちにできない事を平然とやってのける、そこにシビれる!あこがれるゥ!」って感じです。単純に性格が捻くれていたのもありますが、自信がなかったのもあったかと思います。

そして高校の時。僕は何か変えたかった。何もかもへぼい自分をどうにかしたかった。何か自分に確固たるものが欲しかった。まあ先輩にモテると言われたからというのもありますが。そういう思いで強豪のラグビー部に入部します。
それで、速攻で辞めたくなりました。練習はめちゃくちゃきついし、痛いし、中学時代の癖が抜けず、よく遅刻したり練習で手を抜いたり、風邪と言ってサボったりしていたので先輩にめっちゃ切れられるし、ラグビーでは何もできなくてつまらないし、そもそもその頃は体重60kgくらいのカリカリだったので良く吹っ飛ばされていましたし。痛かったので、その頃は如何にタックルにいった振りをしてタックルをしないかを研究していました。笑

転機は一年の秋、僕の先輩方が秋の全国大会、花園に出場しました。練習や試合でめちゃめちゃ熱い先輩方を見ていて、感動してしまいかっこいいなーと思ってああなりたいと思ったのをよく覚えています。

そこから同期の方が俺たちも花園に行きたいと言い出して、朝練とアフター練で鬼のように筋トレをするという組織が結成され、鬼の非科学的トレーニングをしてました。最初は割と普通に追い込む感じでしたが、次第にベンチプレスで10回補助つきで(補助もまじで必要最低限しかしません)やって終わったら5kg減らしてすぐ再開、それを60→30kgまでやるのを2セットやるとか、アームカール計500回とかめちゃくちゃでしたね。やっぱフルスクワットがきついなとなって結構やってましたし、遅刻したら腕立て500回とかしたり、体幹5分とか、とにかくきついことをやってました。

今までで、何か真剣に取り組んだのはほぼ初めてで、めちゃくちゃきついけど、自発的にやるととすごく充実感があって楽しかったのを覚えています。なんか燃えてきてラグビーでも、運動神経はなかったので何か一つできることをやろうと、タックルの練習をめちゃくちゃしました。この時真剣に何かを取り組むのがかなり楽しいということを知ったのが、多分僕の人生でかなり大きかったと思います。あと、ラグビーは野球などと違って、結果がやればやっただけ出ます。僕は野球は全然上手くなりませんでしたが(少年野球と中学の最初の半年はまあ普通に練習してます)、ラグビーは筋トレした分、タックル練習した分、上手くなったのを実感できました。痛いし、きつかったですし、上手くいかないときはよく泣いてましたが、それでも上手くなって相手をタックルで倒した時の喜びはいいものでした。

そして一年の時の新人戦で、一つ上の代が人数が少なかったのと、勝ち上がって行く中で怪我人が何人か出て、少し監督に認められてきつつあったので僕が出場しました。スポーツで公式戦に出るのは初めてだったので、緊張したのを覚えています。ただ僕が出場したのは割と勝ち上がってきたくらいで、そこで強豪のS陵高校とHヶ丘高校とやりました。どちらも50点差くらいで負けましたが、特にHヶ丘との試合はやばくて、3番とか7番にめちゃくちゃ吹っ飛ばされ、あとは8番で当時同じ一年生であり、今日本代表で活躍しているH野さんに、めちゃくちゃ飛ばされました。ハンドオフを正面からくらって、空が見えたのを鮮明に記憶しています。完全に開始20分くらいで心が折れ、あとは相手が来ないとこをに行ってサボるか、きても上手くタックルしたフリをするという感じでした。この時、本当に自分が情けない人物だと思って一日泣いて、心から変わろうと思ったのを覚えています。ありがちですが、H野さんをぶっ飛ばすという目標を立ててやってました。

そこから、本当にラグビーに全てを捧げるくらい努力したと思います。そもそも練習も意味わからないくらいキツくて、今の名大でやってるきつめのコンフィが普通に13個あったといえばなんとなくわかるでしょうか。毎日時が満ちたと言って、練習が終わったことを喜び合っていました。あまりに練習がきついと眠くなってきて、走っているときに意識が飛びかけたこととかあったくらいです。(3年になった時はキャプテンがプロップだったので少し楽になりました。)
その練習を真剣にやりつつ、アフター練して、毎日朝720分に行ってタイヤ引いたり、筋トレしたり走ったりしてました。もちろん授業中は体力回復期間としてほぼ爆睡でした。休日も体が痛すぎるしきつすぎるし一日中寝てました。昼もラグビーの動画をみんなで見ながらご飯食べたり、家でもよくラグビーの動画見ていました。

あとは、僕はあまり信じてもらえないかもしれませんが、運動神経があまり良くなくてハンドリングとかもチームで1,2を争う悪さでしたし、タックル以外下手でした。でも、コーチが君はタックルしてすぐ起き上がって、またタックルして。そういうプレーを極めていけば、めちゃめちゃすごいプレーヤーになれると言われて、感動してそういうプレーヤーになろうと自主的にきつい事やってました。

なんか毎日自分の限界に挑戦していました。めちゃめちゃきつかったです。でも真剣に部活やるのは人生最後だからと、後悔しないように頑張ってました。でも不思議なことに一番きつかった時が一番楽しかったです。今でもあの頃はなんかよかったなあと思い出します。

そうして、3年間を終えました。2年の頃にはレギュラーを取れて3年の頃にはまずまずのプレーヤーになることができて、最後の大会ではその年全国大会で3回戦くらいまで行ったS陵高校にかなりいい戦いをしました。本気で勝てると思ってましたが負けました。

自分個人としては本当に後悔のないようにやりきったと思います。
ラグビーをして、本当に自信がついたし、色々とへぼい部分も少なくなったし、確固たる自己が確立できたと思います。


この体験談から色々と思う事というかアドバイスをしたいと思います。
まず、何か一つ俺が一番だと思える事を作る事です。僕の高校時代はタックルでした。するとそれが自信になって自分にあれもこれも出来るんじゃないかと思って出来るようになっていきます。また、自分に対する自信が、潜在能力の解放度合いを決めます。だからまずは自信をつける事です。自信がつけばあれもできるんじゃないか、いやこの俺にできないはずがないとなってスキルがどんどん身につきますし、判断に自信が持てるようになり、指示できるようになり、どんどん色々できるようになります。

もう一つ、これはラグビーじゃなくてもいいですが、何か一つ全力でやり切る事です。でもせっかくラグビーという努力と気持ちが結果に直結するスポーツをやっているので、ラグビーをやりきることをお勧めします。僕はその体験が何よりも自信をつけてくれると思っています。また、若い時に取り組んだものが全ての基準になります。僕は今でもダラダラしてるとこれでいいのかと思うし、何かやり始めるとあれくらいやらなきゃなとなと思って中途半端にやるとすごく気持ち悪いです。また、どんな困難に直面しても、あの時最後までやりきったという事実が力をくれます。本当に。

そしてもう2度とラグビーはやらないし、あんなきついことはできない、もうやり切った、そう思っていました。
ただ、僕の中でほんの少し後悔があって、それはチームの戦術とかチームに関われなかったことです。自分の事に必死でチームの戦略とかは色々上手い人たちがやってましたがあまり関われずにいました。また、練習でみんな気合いが入ってなかったり、そういう面でも我関せずで注意などできませんでした。もっと戦術をしっかりすれば、チームに関われば勝てたんじゃないか。そういう思いが少なからずありました。


そして一年浪人して名大に来ました。色々とやりたいことがあったので、ラグビー部に入ろうかかなり悩みましたが、最後の心残りを無くしてチームに関わろう、また高校の時にはできなかったアタックやいろいろ楽しくラグビーしてみたいな、流石に高校の時のようなきつい練習はしないだろうし、という軽めの気持ちでラグビー部に入りました。

そして、名大に入ってまず驚いたことは、戦術が全然ないという事です。かなり個人の能力に任せたラグビーをしていて、原始的でした。高校でもコーチ主導ですが論理立てて、こういうチームを目指してこうやって勝つというビジョンをある程度持ってやっていたし、FWは本当にいろんな事をこちょこちょとやっていたので、結構驚きでした。ラインアウトモールとかゴール前はかなり色々小細工してやってましたし。まあコーチなどは高校の時のように教師で毎日がっつりではなく、善意でちょくちょくきて下さっている方だったのでしょうがないのかと思ったりしました。

一年の時は、みんな上手くて個人の能力で十分強くて上手くいっていたし、すごく熱意があったので、あまり言いませんでした。もうちょっと考えた方がいいんじゃないかなと思いましたが、自分も勉強不足で自分が高校でやってきた事が本当に正しいのか分かりませんでしたし。まあ、高校の時はあまりできなかったアタックとか、戦術理解をやろうと思って自分なりに色々練習や勉強していました。

二年の時は、自分が中核メンバーになったこともあり、練習の仕方とか、戦術ももっとこうした方がいいのにという不満が色々あって、色々口出ししたり不満を漏らしたりしていました。今思うとかなり先輩に牙を剥いた感じになってしまい、もっと生産的なやり方があったのではないかと反省しています。しかし、高校の時のように個人で満足して終わるのではなくてチームとして勝ちたい、そんな思いからでした。ただ、結局あまり上手くいかないまま終わってしまいました。しかし、個人としてはとても成長できて、自分もかなりアタックできるようになったなあと感慨深かったのを覚えています。今でこそハンドリングは結構ましになってますが、高校の時、チーム一のハンドリングエラー王で、何かの試合で7/12僕のハンドリングエラーだった気がするので。今の僕のハンドリングがましなのはたゆまぬ反復練習のおかげだと思います。

はっきり言って僕はこの頃の名大が好きじゃありませんでした。意図が伝わってこない練習や、ヌルい練習ばかりで勝つ気あんのかなと思ってました。また、名大の激しいプレーを練習であまりしないヌルい文化が嫌いでしたし、代々スキルや戦略が受け継がれていかず、ぶつ切りになるシステムとか、後輩の意見をなかなか聞き入れない感じとか、名大の文化が好きじゃありませんでした。また、僕はナルシスト的過信プレーヤーとか、ガツガツ来る奴とか、本当に狡いやつとか大好きだったので、真面目なプレーばかりするのも好きじゃありませんでした。それでまあ先輩に牙を剥いてしまったのですが若かったですし、しょうがないですね。ただ今思うとかなり上の立場は大変なのでしょうがないと思いますし。厄介な問題児が増えただけで生産性がなかったと思います。でも、変えたかったのです。名大の文化を変えるのがこの頃の目標でした。

三年の頃は反省し、自分の意見を書いたものをレポートにまとめて、上級生に提出しました。ただ今思うと理想論ばかりで全然洗練されていなかったのでまあダメでしたね。メンバー的にはかなりイケると思ったのですが、上級生が分裂しかけたり、色々と試行錯誤がうまくいかなかったりであまりうまくいきませんでした。僕も学科の勉強が超絶忙しかったのといろいろとあって部活にあまり関われませんでした。またなんか人生に疲れてしまって、ちょっと腐っていた時もあったと思います。今思うと申し訳ないです。でもそれなりに意見を聞き入れてくれたり良い方向に少しづつ変わっていたと思います。


そして今年、最上級生になりました。今振り返ってみると、かなり大変でしたがめちゃくちゃ学ぶことのある1年でした。自分らが思う戦術を明確に定めて、それに基づいた練習をして、どうやったらそれをチームに落とし込めるかすごく考えました。また、僕はプライド全然ないし、自分の視点は凝り固まって見えないことが多いことを十分理解しているので、後輩に色々アイデアを聞いてやっていました。自分たちなら絶対にできると思っていたのですが、本当にやってみないとわからないことだらけで、試行錯誤しながらラグビーの勉強してやっていました。やる前にかなり色々と考えたのですが、やっぱりやらないとわからないことだらけでした。そしてやっぱりリーダーとして考えることが多くてしんどかったですね。本当に長く感じて今年は2.5年分くらいありました。正直今は長い長いマラソンを何とか走ってきてやっとゴールテープが見えてきた、そんな心境です。

僕は名大の文化を変えようと思っていました。チームとして連戦連勝を毎年できるような強い組織とシステムを作りたいと考えていました。熱がこもった練習をもっとしたいと思っていました。もっとチーム全体の理解度を上げたかったし、もっと基準を示してそこまで登らせたかったし、スキルが受け継がれていくシステムを作ったりしたいと考えていました。しかし自分が思っていた半分くらいしかできませんでした。僕が未熟で勉強不足だったのもありますし、4年生になってくるとまあちょっと歳的にちょっとしんどかったり、一年という時間で色々することはなかなかできませんでした。それでもまあ未熟なりにそこそこできたのではないかと思います。

本当に色々ありました。正直リーダーとしてあるまじき事をしてしまった事もあるし、きつい練習ばかりだったと思うし、でも盛り上げてついてきてくれた後輩には本当に感謝です。本当に今年はいいチームができたと思います。ただ、やっぱり一年というのは何かを達成するには短すぎました、本当にあと一歩の所で結果がついてきませんでした。最後の方になってやっと自分達が本当にどうしたらいいのか、どんな戦術をとったらいいか分かりました。でも今年作ったラグビーが今後数年間名大ラグビーのベースになる、それくらいのものを作り上げることができたのではないかと思っています。

僕が名大ラグビーで体験して伝えたいのは、まずは頭を使うこと。まだ自分に確固たる自信のあるプレーが作れていない人にはそちらを優先した方がいいですが、ある程度できるプレーヤーは頭を使うのは本当に大事です。個人戦略として、体のどこをどういう感覚で使ったら上手くいくのか、自分はどんなプレーヤーを目指してどこを磨いていくのか、そういうのも大事です。自分で考えて色々できないプレーヤーはやっぱり上手くなりません。ラグビーを理解して何をどういう意図でやっているのか、されているのかを理解することも大事ですし、相手の隙はどこにあるのか、相手の嫌がることは何か考えていくのも大事です。そしてやっぱりラグビーを見ること、それはYouTubeのプレー集みたいなもので構いませんしとにかくいいプレーを見て学ぶことがめちゃくちゃ大事です。あと、ラグビーを勉強すること。
このあたりのブログは僕もよく読んでいてお勧めです。
こうやって頭を使ってラグビーしたことが本当にいろんな所で僕は生きてます。こんなに頭使いまくって、自由度高くて、努力と結果が結びついているスポーツは他にありません。このスポーツで毎日PCDAサイクルを回しまくる体験はおそらく今後の僕の人生の基礎になるでしょう。それくらいいい体験だったと思っています。

そして主体性を持って生産的な行動すること。やっぱりチームを学生主体で運営していくには一人一人がチームをよくしたいという意識が欠かせません。人は自分の価値観でバイアスがかかった世界を一人一人見ているので、上手いから見えない、理解度が高いから見えない世界もあります。だからこそ全員が意見を出していったり改善していく意識は必要ですし、積極的によくしようと関わろうとする意識が必要です。これが本当にできた時、学生主体というのは弱みではなくかなりの強みになると思っています。また、割と非生産的でない行動をとりがちな後輩もちょこっといますが、プライドとか全て捨てて、生産的な行動をとってほしいと思います。これはどんな組織に行っても役立つことだと思います。

あとはやっぱり熱を持つこと。楽しむこと。大学ラグビーでは高校の時のように若くないし、他にも勉強とか研究とかバイトとか色々あって自分自身熱を高度に保つのは本当に難しいと思ったけど、やっぱり熱のない練習や時間は楽しくないです。それにラグビー部での体験が無駄なものになってしまいます。

もう一つ、進化すること。進化とは、今までの自分の価値観を捨てて新しい価値観を受け入れて行動するということです。人は自分の価値観のものしか見えないので、自分の目標に対して必要なものは見えないようになっています。それを破るにはどんなに抵抗を感じても自分には必要ないと一旦思っても行動してみること。自分が尊敬していて結果を出している人が、うんこ食ってますと言ったらじゃあうんこ食ってみる。進化とは自殺するようなものです。でも一回でも行動すると価値観が変わって今までにない世界が広がります。


最後に、僕は基本的にクズで、引きこもり体質でゲーマーなので、もしラグビーをやっていなかったら成長することはなかったと思うし、面白い仲間ができることもなかったと思うし、今でもドクズだったと思います。ラグビーには本当に感謝しています。

そして僕のおそらく人生最後のラグビーの試合の東大戦が迫ってきています。僕はこの物語の最後は必ずやチームの勝利で締めくくりたいと思っています。絶対に勝ちましょう。

次は今年一年キャプテンを務めて引っ張ってくれたあつみくんに回したいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿