2020年5月18日月曜日

 寛太郎さんから回ってきました2年の西島真誠です。コロナ禍の現在、ひとと会う場合はZOOMなどを用いてオンラインで顔を合わせることが当たり前となってしまっておりますが、これは大変さみしいものです。大学の講義もオンラインで行われておりまして、ネットにアップされる講義動画や資料を見て、課題を解き、ネットで提出するという作業をすべて自宅で行っております。なんて単調なことでしょう。一日もはやい大学の再開を願っております。

 この単調な日常の中の少しの楽しみは読書です。一日中家の中にいるので、ちょっと本を読もうかという時間が多く、たいへん読書がはかどります。私が最近はまった作家はカズオ・イシグロ氏です。数年前にノーベル賞を受賞した、日本生まれ、イギリス育ちの方です。日本生まれということで、ノーベル賞受賞時には日本でもニュースになりましたし、「わたしを離さないで」という作品がドラマ化されていましたのでご存知の方も大勢いるでしょう。氏の小説で私が初めて読んだものは「日の名残り」という小説です。イギリスが舞台で、主人公は豪邸で働く執事というお話です。日本人にとって執事というものはあまり縁がないものでしょうが、この小説を読んでおりますと自分が一流の執事になって、お屋敷に精通したプロフェッショナルになったかのような錯覚に陥ってしまいます。この小説の面白いところは、第二次世界大戦前のイギリスで、どのようなことが起こっていたかを執事目線で書いているところや、主人公の回想シーンであります。この小説は終始、主人公の一人称視点で書かれておりまして、年老いた主人公が若かりし日の記憶をたどることで話が進みます。年老いた現在と若かりし過去の話が同時に展開されていくさまは話のつづきが大変気になるようになってありますし、現在の話からいつのまにか過去の話になっている自然さにつきましては圧巻で、カズオ・イシグロ氏の技術のたまものであります。

 ここで長々と書きましても、私などがこの本のすごさを語ることなど到底できませんので、これにて紹介は終わりにさせていただきます。とにかく、たいへん面白いので一度読んでみてください。そして、読み終えるともう一度読みたくなると思います。二度目はまた違う面白さがありますので、この本を読むときは是非二度お読みください。

 さて、このなんの面白みのないブログを読んでいただきまして大変感謝申し上げます。この度のブログは、紹介させていただきました「日の名残り」の文体をまねて書いてみました。読者の皆さんにとってはさぞ読みにくいものであったと思います。これもすべて私の自己満足の類いのものでありまして、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

 次は私が敬慕しております齋藤岳さんに回します。

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