2024年12月14日土曜日

個人蔵

 爽やかな笑顔と人当たりの良さからチームの、そして同期の潤滑剤としていつも大活躍してくれるりょうすけから回ってきました4年スタッフの川澄さやかです。彼のブログを読んで、大学ラグビー4年間だけではない彼のラグビー人生がもうすぐ終わることを実感し、なんだか感無量になりました。悩みや葛藤もあったと思うけど、彼の不平不満を見せずに真摯に向き合う姿勢がすごくラグビー選手だなと思います。



引退直前には心構えができてしんみりするかなと思っていたのですが、東大戦に向けて士気が上がる今は戦いに気が逸る気持ちです。

といいつつ、最近は後輩のみんなの方が寂しがってくれるので私も伝染して寂しくなったりします。

最後は4年間を振り返って締めようと思います。



私は今年の4年生の中では珍しく、大学までラグビーとは何の関わりもありませんでした。持ち前の好奇心が働いて、ラグビー部のスタッフを選択しました。ずっとプレイヤーだった私がスタッフをやるのは面白そうだなと思ったのです。

しかし始めてみたはいいものの、私がそれまでやってきた努力の仕方とは違うと気づきました。初めは「スタッフの私」がどう上達したり成長したりするのかよく分からなかったです。


そんな私を形作ってくれたのは1年生の頃の先輩方でした。

人数は今よりずっと少なかったけど先輩方一人一人の力量が大きかった。そんな環境で基礎を築く1年生を過ごせたことがどんなに有り難かったか今になって分かります。


1月の阪大戦が私の初めてのメディデビュー戦でした。私の隣には4年の先輩が付いてくださっていたけど、メディの仕事に必死で試合展開は全然追えていなかったです。

でも、逆転した時に後ろを振り向いたら先輩がすごく喜んでいて。それを見て部活に入ってから初めて感動しました。

私も勝利に執着したいという気持ちが芽生えたのはそこからでした。



スタッフ組織の雰囲気ががらりと変わって、自分も変わることを求められた2年生。

課題は相手を理解することでした。

もったいないことに1年生の時はしっかり選手と話したことがなかったように思います。だから、先輩の真似をして練習の前後は話しかけに行くように意識しました。

初めて選手に信頼できると言われた時のことは忘れません。ラグビーという精神性を重視するスポーツにおいて、その言葉は自分が認められたと思うには十分で、2年生の個人目標は「信頼されるメディになる」になりました。


当時は変わらないと、という一心で行動していましたが、今思えば、部員の性格や悩みを理解することは、チームの勝利に貢献する方法の一つなのだと思います。



さらに、3年生になる前に加入したインスタ部が、新しいやりがいを与えてくれました。

くるみさんが私を適任と選んでくださったことが嬉しく、真新しい仕事も楽しかった。デザインに凝りながら創作することは性に合っていました。

そこは今でも変わりませんが、4年になってからは名古屋大学ラグビー部の広報媒体としての意義を意識するようになったと思います。自己満足を抜け出して、“部員と応援してくださる方々が名古屋大学ラグビー部を好きになってくれる”ようにインスタ部を運営しました。好プレー・トライ集、MOM、誕生日企画、意気込みを手書きで描いてみる、、など、やりたかった企画をたくさん実現できました。感じ方は一人一人違うと思いますが、少しでも好きになってくれていたら嬉しいです。

私の提案に乗っかって盛り上げてくれた、ののちゃんとかづきちゃんには感謝しかありません。細かいことにも気が利いて仕事が早い2人にたくさん助けられました。楽しんで新しいことにチャレンジすることができたのは2人のおかげです。

春には約570人だったフォロワーが700人超になったことも、数字でインスタ部の活動が評価されたようでとても嬉しい出来事でした。1000人の夢は2人に託そうと思います。



最後の年の個人目標は状況判断でした。

スタッフ・メディの仕事では、目まぐるしく変わる状況に対して一つ一つ決断していかないといけません。この意思決定のスピードはメディとして必要不可欠のものです。

スタッフリーダーとしても同じことが言えます。スタッフの仕事は選手、ひいてはチームの勝利のためにあるので、必要な時・1番効果がある時にやらなければなりません。だからこそリーダーの私の意思決定が遅ければ、スタッフ全体の努力を勝利に結びつけられないと感じていました。


この1年を振り返ってみると、もっと上手くできたと思うことはいくつもあります。

後輩育成に努めた春シーズンは講習会や勉強会が毎週あり、加えて面談、分析が舞い込んできた時にはスタッフ運営に手一杯で、一人一人に十分向き合えていなかったと思いますし、

リーグ戦を迎えた秋シーズンは臨機応変な対応が求められる状況に見舞われ、担当の仕事がある試合中では後輩に対応を任せてしまうことも多かったです。

スタッフの立場であれば怪我人を制止する場面で、チームの勝利が惜しくて、選手の要望を叶えたくて、告げるのが苦しかったこともあります。

そして名古屋経済大学戦が終わった後には「良い試合だった」では済ませられない悔しさがありました。


それでも、私みたいになりたいと言ってくれる後輩ができたことは、私が何かを残すことができたんだと確信させてくれました。



4年間ずっと必死だった。

なんだか自分にとって良い出来事を書いた気がしますが、必死すぎて楽しいという感情を置いてけぼりにすることの方が多かったです。

スタッフは誰かから評価される訳でもなく自分の存在意義が見え辛いです。しかし、だからこそ自分と向き合う機会が本当に多く、それを共有して考えを深める機会にも恵まれて、私は人として成長することができたと思います。



この場を借りてお世話になった方々に感謝を伝えさせて頂きます。


佐々木先生、土門コーチ

お忙しい中練習や試合に来て指導してくださってありがとうございました。

激励の言葉を頂く度にスタッフのことを戦力として考えてくださっていることが分かり、とても嬉しかったです。


OB・OGの皆様、保護者の皆様

私たちは皆様のご支援ご声援のおかげでここまで来ることができました。特に今年1年はいかにチームが周りの方々に支えられているかを特に実感する年でした。

時折感謝の言葉をかけて頂くこともありましたが、私の方こそ支えられていました。

本当にありがとうございました。


両親

練習で早い時間も遅い時間もいつも起きていてくれてありがとう。家でほとんど話さない私はたくさん心配をかけたと思うけど、見守って応援してくれてありがとう。


院生の先輩方

スクラムやモールの相手から試合分析、栄養講習まで、4年の頼みに快く協力してくださってありがとうございました。


スタッフの先輩方

多くのことを学ばせていただくとともに、先輩方のおかげで楽しい4年間を過ごすことができました。

ぜひ東大戦見に来てください。


後輩スタッフのみんな

本当にありがとう。

個性豊かなみんなと一緒に部活ができて楽しかったです。


同期

卒業旅行は行くようにします。

最後に勝って良い思い出作ろう。



名古屋大学ラグビー部に入って生まれた繋がりは私の財産です。

長くなってしまいましたが、ここまで私のブログを読んでいただきありがとうございました。

最後まで応援してくださると嬉しいです。



次は大地に回します。

試合中の大地はラグビーを楽しんでいるというのがぴったりだと思います。この4年間で、練習に一切手を抜かない精神性と結果にこだわる情熱、そしてそれを表に出さない謙虚さが、試合中の彼を引き出していると実感しました。

ラグビーがある彼しか知らないので、引退したらどうなるのか気になります。案外かわいい雀の写真を集めるのにハマったりするんじゃないかな。

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