2022年12月17日土曜日

キャプテン

 太一から回ってきました、主将の竹歳英正です。

この1年、太一は副キャプテンとして本当に頑張ってくれました。

自分のことよりもチームのことを最優先に考えて、たとえ言い合いになろうとも、自分の意見を必ず伝えてくれる非常に頼もしい存在でした。僕が今日までキャプテンとしてやってこられたのは、太一の支えがあったからです。本当にありがとう。

冒頭にはなりますが、佐々木先生、土門コーチ、左海コーチ、藤本さん、塩谷さん、院生の方々、OBOGの方々、そして全ての名大ラグビー部に携わってくださった方々、本当にありがとうございました。コロナ禍という特殊な状況下において皆様のご協力がなければ私達はここまでやってこられませんでした。本当にお世話になりました。


リーグ戦が終わって間もなく始まった4年生最後のブログリレー。そこには今まで人に見せてこなかった同期それぞれの努力や苦悩がみられ、各々が、この1年たくさん葛藤しながらも常に自分自身と、仲間と、向き合い続けてきたからこそ、今の4年生が成り立っているんだなと思い、勝手に感動していました。

そして、そんなブログも僕で最後となります。


昨年度の阪大戦が1月に終わり、例年よりも1か月遅く始まった僕らの代。

強い名大を作るべく、どんな時でもひたむきに勇気をもって前に進もうと「勇往邁進」のスローガンを掲げました。

そんな想いを持ってスローガンを掲げたあの日から約1年が経ち、遂に明日、僕らの最後の試合である東大戦を迎えます。


過ぎてしまえばあっという間だったと感じつつも、それでも確かに長かったこの1年。本当に沢山の貴重な経験を積ませていただきました。

今日はこの場を借りて、僕がこの1年間で学び、大切にしていたことを書きたいと思います。


僕がこの1年間で学び、大切にしてきたこと、それは「責任を全うする」ということです。

この「責任を全うする」には2つの意味合いがあります。

1つ目の意味合いは、覚悟を持ってキャプテンを務めることで"部を運営する4年としての責任"を全うするということです。

去年の新歓期に僕らは、誰がキャプテンをするんだろうかと、軽く話をしたことがあります。その時に、俺がやるよ!という人はやはりいなく、同期の中で、太一か僕のどちらかがやるんだろうなという漠然とした雰囲気が漂っていたように思います。

その時に思いました。

もしその場の流れで僕がキャプテンになったら、「みんなが僕を選んだのであって、僕がやりたいと言ったわけではないから」と逃げてしまい、もしキャプテンになったとしても覚悟を持って部の運営に取り組めないのではないか、と。また、同じように太一がキャプテンになっていたら、「全て太一に任せればいいや」と無責任になってしまいそうで、そんな自分が嫌でした。

要するに、僕と太一のどちらがキャプテンになったとしても、流れに任せてなんとなくキャプテンを決めてしまえば、僕自身が来年度のチーム、そして同期に対して無責任なことをしてしまうと思い、だったら自分から覚悟を持って挑もうと、同期をコットンに呼んで、キャプテンをしたい旨を話し、キャプテンになることが決まりました。

これが、"責任を全うする"の1つ目の意味合い、覚悟を持ってキャプテンを務めることで"部を運営する4年としての責任"を全うするということです。


「責任を全うする」の2つ目の意味合いは、"キャプテンとしての"責任を全うするということです。

先程述べたような経緯で、僕は覚悟を持ってキャプテンになったわけですが、始めは、キャプテンになった途端「竹歳」という1人の人間ではなく「キャプテン」として見られるようになったことに戸惑いを隠せず、キャプテンとして扱われることにとても悩みました。

しかし、時間が経つにつれて、竹歳ではなくキャプテンとして見られることの良い側面も感じるようになってきました。

それは、キャプテンという肩書き、キャプテンという装備をつけることで、自分の言動は影響力を増し、より多くの人に自分の言葉や想いを伝えられるようになる、ということです。

しかし、言葉を受け取ってもらうための「キャプテン」という装備をつけさせてもらっているからには、それと同等の責任が生じます。

僕はキャプテンを務めたこの1年で、この装備こそが責任であり、装備をすることで言葉や行動に意味を持たせることができることを学びました。

後輩のみんなは、僕がキャプテンをしていて不甲斐なさを感じることが多々あったと思います。それでも最後までついてきてくれました。本当にありがとう。


明日は最終目標である東大戦です。


「竹歳英正」が「2022年度名古屋大学ラグビー部のキャプテン」である自信と誇りを持ち、ノーサイドの笛が鳴るまで最後の責任を全うします。



最後に同期へ


大学で出会った友は一生の友だと良く聞きますが、その通りで、僕はみんなに会えて良かったです。同期だけはいつだって「竹歳英正」を受け入れてくれました。

今年1年まじで頑張ってきたよな。

僕らがやってきたことに自信持って全部ぶつけて、最後は勝って、笑って終わろうぜ!!


2022年度主将 竹歳英正

2022年12月14日水曜日

4年間を振り返って

FWリーダーの横川から回ってきました、副将の佐藤です。彼の突破力とスクラムには4年間助けられてきました。そんな彼と試合をできるのもあと1度しかありません。悔いの残らないよう力を出し切り勝ちましょう。

 

さて振り返ってみると、長いようで短い、いややっぱり長い、そんな4年間でした。そんな自分の4年間を振り返ってみたいと思います。

 

1年生。入学して色々な新歓のビラをもらう中で1番に目に入ったのはやはりラグビー部で、その直感は正解でした。初めてグラウンドに行ったとき、先輩方がラグビーを楽しんでいて、なおかつ引き締まった、そんな雰囲気に憧れて入部を決めました。1年の頃は初めてのことばかりでついて行くのが精一杯でしたが、当時の4年生の方々のおかげで楽しむことができました。ただシーズン終わりは、自分の技術の足りなさ、才能のなさをひしひしと感じ、部活を辞めてしまおうかと思っていました。そんな矢先に訪れたのが新型コロナウイルスです。

 

2年生。コロナのせいで春シーズンを棒に振り、何もできませんでした。ただこの空白期間のおかげでラグビーへの熱が少し戻り、部活動が再開して個人練ができたときは純粋にラグビーを楽しめました。そういう意味では、コロナのおかげで今ラグビーを続けてられているのかもしれません。そしてこの年から自分が試合に出られるようになりました。本当にへたくそだった自分(今もですが)を使い続けてくれた現M2の方々には頭が上がりません。ありがとうございました。試合に出て、ラグビーの楽しさを知り、同時に厳しさも知り、この1年は自分の大学ラグビーの中で1番転機となる1年だったと思います

 

3年生。思い返せば1番楽しめた1年だったと思います。2年の時よりもフィジカル面技術面で(すこーーし)向上し、責任もなく、純粋にラグビーを楽しめた1年でした。ただ最後の阪大戦を腰の怪我で欠場し、悔しい思いもしました。そしてついに自分の代だと意気込み、希望に満ち溢れながら次の年へ進みます。

 

4年生。1~3年生をすべて足し合わせても全然足りないくらいには密度の高い1年でした。今までの4年生はこんなことを経験してきたのだと思うと本当に尊敬が止まりません。それくらいには自分としては辛く苦しい年でしたが、同時に学びを得ることができました。いろいろなことを考えて消化して、また次のことを考えてと、常に負荷がかかることで自分の中で得た教訓も多く、人間的には成長できたと思います。そして今までで1番同期と一緒に話し、対立し、悩み、仲を深めた1年でした。今までも多くの同期がブログで話していますが、なかなかこんなに色々なことを話せて仲の良い同期に出会えたのは奇跡ではないかと思っています。ただの表面的な仲良しこよしではなく、思ったことを言い合える素晴らしい仲間に出会えました。4年間、本当にありがとう。

 

 

そんな大学ラグビーを通して、いろいろなことに気が付けました。その中で2つだけ書いておきたいことがあります。

 

1つ目は、「伝える」こと、人に思いを伝えることの大切さです。これは自分ができなかったことでもあります。自分が4年生になって色々な仕事をこなしていく中で、やはりもっとこうした方が良い、なぜこのようになったのかと思うことが多々ありました。シーズンが始まった頃、自分が元気な頃はその思いを不器用ながら言葉や行動に起こしていましたが、シーズンが進み疲弊してくると、衝突が起こり疲れるのを嫌い、「自分が色々やれば良いや」「大きな問題でもないし放っておけば自然に解決するだろう」と自分の中で飲み込むようになっていきました。しかし後回しにしたものは大きくなって帰ってくるものです。結果シーズンの最後に迫るにつれ、そのようなものがどっと押し寄せたように感じます。

 

ただ今振り返ってみて、どこまで思ったことを伝えれば良かったのか、どんな言葉が最善だったのかというのはいまだにわかりませんし、正解もないと思います。思ったことをしっかり口にして伝えようとしていれば自分が疲れ切って壊れてしまうかもしれないし、口に出さなければ自分は楽でもチームとしては苦しい方向に向かってしまうかもしれません。ただ、やらずに後悔するよりもやって後悔した方が後腐れはないと思います。面と向かって、自分が思っていることを伝える。その行為がどれだけ簡単で、難しく、大切かということが、このブログを読んでいる方々に伝われば幸いです。

 

 

2つ目は、自分を、そしてチームを支えてくれる人への感謝です。ラグビー部の副務、主務、副将と経験してきて、部活の内外問わず本当に多くの人が名古屋大学ラグビー部のために仕事をしたり支援をしてくださっていたりすることを知りました。自分が1年の時、このように4年生の最後のブログで色々な方に感謝を述べているのを見て、正直なところ社交辞令で言っているのではないかと思っていました。でも4年間を通して、本当に心から感謝してありがたみを知り、伝えていたのだなと分かりました。佐々木先生、土門コーチ、左海コーチ、藤本さん、塩谷さん、院生の方々、OBOGの方々、名古屋大学ラグビー部に関わってこられたすべての方々、本当にありがとうございました。今後も名古屋大学ラグビー部への変わらぬご支援ご声援のほどよろしくお願いいたします。

そして外せないのは、家族の存在です。自分が高校でラグビーを始めるとき、親からは反対どころか賛成してもらい、部活用具から食事から何まで、本当に応援し支えてくれました。一人暮らしとなり身の回りのことを自分でしたり、周りの親に反対されながらもラグビーを続けている部員の話を聞いたりして、改めてラグビーを心置きなくできる環境を作ってくれる両親に感謝しています。本当にありがとう。

 

 

長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。ただ思ったことを連ねただけの文ですが、読んだ皆さんの中に何か得られるものがあれば幸いです。

 

東大戦まであと4日。勇往邁進のもと、すべてを出し切って、勝ってシーズンを終えましょう。

 

最後はキャプテンの竹歳に回します。この1年間、彼がいなくては僕らはやっていけませんでした。本当にありがとう。あと少し一緒に頑張ろう。

2022年12月11日日曜日

ラグビー部に入って

 BKリーダーの奥田から回ってきました。ブログでも書いていましたが今年一年BKリーダーとして彼がとても苦労してる姿をよく見てきました。東大戦ではそんな彼が報われるような試合をしたいと思っています。


思い返せばあっという間の四年間でした。私は高校からラグビーを始めて同期が14人もいて恵まれた代でした。そのおかげもあって3年生の時には県でベスト8の結果を残せました。当時はもう満足して大学ではラグビーはやらないだろうと思っていました。しかし二年間の浪人期間は私からラグビーでの苦しみを忘れさせ、楽しかった記憶をより美化するためには十分だったようで地獄の細道当日に入部を決めてしまいました。この早さで入部を決めてしまう人はそうそういないと思います(笑)


こうして入部した名古屋大学ラグビー部ですぐにラグビーの辛さ、苦しさを思い出しました。初めてのフィットネスではまるで走れず、高校生の時は自信があったコンタクトでは先輩達に吹き飛ばされ、スクラムでも高校と大学の差をみせつけられました。それでも当時の4年生は練習を盛り上げ、みんなでラグビーをする楽しさを思い出させてくれました。私を始め同期にはこの時の4年生のようにチームを引っ張って行きたいと思っていた人も多いと思います。


学年が上がるにつれてメンバーにも入るようになり、先発として出る機会も増えてきましたと思っていた2年の秋に怪我をしてしまい試合に出ることができなくなってしまいました。とても悔しくもったいないと思っていましたが他にも怪我をした同期を見て頑張れたのは今となってはいい思い出です。


その後も試合に勝ったり、負けたり、怪我をして出られなかったりして楽しいことも苦しいこともたくさんありました。そうしていつのまにか私が4年生になりFWリーダーとなっていました。最初にFWリーダーとして取り組もうと思ったことはリモールの代わりに武器を作ろうということでした。実際には他にも取り組むべきことも多くなかなか上手くいかないなと思っていました。しかし今では立派な武器と言えるものがたくさんできたと思っています。共に考え、練習についてきてくれた同期、優秀な後輩には頭が上がりません。この場を借りてお礼を言わせてください。ありがとう。東大戦で存分に発揮していこう。


かけがえのない仲間が手に入りました。たまには対立したりもしましたがとても仲の良い代だったと思います。大学生になってから四年間もの間真剣に一つのことに取り組む仲間というのはとても貴重なものだと今でも思っています。そんな仲間のおかげで今までやってこれました。活躍する同期に負けるもんかと思って今日までやってきました。だけどそんな部活をもう終わりです。何一つ後悔なくきた人はいないと思います。それでも最後は勝って終わりたいですね。


末筆ではございますが佐々木先生、土門コーチ、左海コーチ、藤本さん、塩谷さん、院生の方々、OBOGの方々、そして全ての名大ラグビー部に携わってくださった皆様本当にありがとうございました。


次は同期の中でも主務、副務、バイスキャプテンとして数多くの仕事をこなし試合では試合をコントロールし続けた佐藤に回します。今までありがとう。これからもよろしく。

2022年12月8日木曜日

4年間の振り返り

 二村くんから回ってきました奥田です。彼は自分のことを、自己主張を抑え、感情を押し殺し、チームのことを優先する、と書いてくれましたが、おそらく何も考えていないだけですね。周りの目にそう映っていたのならラッキーです。彼はスタッフとして入部したのに、選手転向して頑張ってきた姿に私も心動かされましたし尊敬しています。


 ここ数年専ら部員達による決意表明の場あるいは懺悔の場となっているこの名大ラグビー部のブログですが、部外の方々は読んでいて面白いと感じてくださっているのでしょうか。気になるところです。 


 さて、今年はあまりブログを書いた覚えがないのですが(後輩達には気軽にブログを回せる先輩ではないと思われているのでしょうか?)、自分の大学ラグビーの4年間を振り返りたいと思います。


1年生

 ラグビー部を新歓の際に見に来て、部活を取り巻く環境に驚いたのを覚えています。「グラウンド人工芝やん!」「夜でも電気ついてて明るいやん!」「スタッフさんが水配ってくれんの!?」などなど自分にとっては感動の連続でした。その勢いのまま入部をした訳ですが、練習はしんどく、ついていくだけでも精一杯でした。それでも練習に毎日参加できたのは、雰囲気が良かったからです。その時の先輩方が辛い練習でも盛り上げてくださり、何とか頑張ろうと思えました。リーグ戦などの試合にも出場させていただき、今思えば唯一ラグビーを楽しめた1年間だったと思います。自分の中では名学との入れ替え戦が特に印象に残っています。自分はリザーブとしてメンバーに入っていたのですが、ケガ交代で前半20分くらいから出場しました。自分なんかが出ていいレベルの試合ではありませんでしたが、一つ一つのラン、タックルが決まるたびに嬉しかったですし、その時の4年生の方々と長い時間一緒に試合に出られたのがとても嬉しかったです。試合としては負けてしまったのですが、自分の中ではとても思い出深い試合になりました。


2年生

 少し大学ラグビーに慣れてきたと思った矢先、コロナにより部活が出来なくなりました。おそらく一番ラグビーに対する気持ちが落ちてしまった期間でした。部活停止期間中において、オンラインで授業を受け、バイトに行って寝る、という生活を延々と繰り返す中でラグビーのことを考える時間が少なくなりました。部活が再開しても、やはり練習ができていなかったことに対する焦りなどから部の雰囲気はあまり良くなく、リーグ戦の途中で怪我をしてしまったこともあり、ラグビーをするのがしんどかったのを覚えています。


3年生

 この1年が自分にとって転機となりました。それはスタンドオフのポジションについたことです。それまでFW、BK関係なく様々なポジションを経験してきましたが、スタンドだけはプレーしたことがありませんでした。正直スタンドをするまでは、「スタンドってパスもらって放るだけやん。んでたまに蹴るだけやん。」と思っていました。しかしそんなに甘くありませんでした。これまでのブログで何人か、ラグビーは一芸があればできる、と言ってくれていましたが、スタンドはラグビーのプレー全てが出来ないといけないポジションで、実際にプレーする中でいかに自分の技術レベルが低いか思い知らされました。また技術だけでなく自分が苦労した事としてが人に指示を出すことがありました。自分は自己主張が得意ではなく、最初は指示を出さずに勝手にパス放ったり、キック蹴ったりしていました(今でもですね笑)。ただ、スタンドを経験したことによりこの1年で、かなりラグビーのスキル、自分の考えを発信する力が身についたと思います。


4年生

 最後の年に私は同期の推薦によりBKリーダーになりました。自分自身リーダーと名のつく役職が似合う柄ではないですし、役割を全うできる自信もありませんでした。実際にBKリーダーとしての仕事をする中でも、自分が組んだ練習に意味があるのか最後の最後まで悩んだままでしたし、戦術やメンバーなどを決める際も自信を持って決めることはできませんでした。グラウンドの中外から様々なご指摘を頂いたり、スタンドというポジションにいることも相まって戦術等に関する意見が多く自分のところに集まって処理しきれなかったり、正直この1年間キツかったです。ただ同期はいつも自分の意見を尊重してくれて本当に助かりました。最後の一年はラグビーというよりは生きていく上で大切な力、例えば傾聴力、発信力、計画力、社交性などが成長できた実感があります。しんどかったですが、これからの人生を考えればBKリーダーをさせてもらって本当に良かったと思います。


 さて、ただの感想文のように4年間を振り返りましたがここで一つ、自分の基礎としてきた考えを書きたいと思います。それは「他人に感情的に当たらない」ことです。自分の好きな言葉で「堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え」というものがあります。これは徳川家康の言葉で「我慢することが長く安らかにいられるコツで、怒ってはいけませんよ」という意味です。部活に身を置いていると何度も感情的になりたくなる場面があると思います。「なぜ自分のミスだけ責められるのか」「自分はこんなに頑張っているのになぜ他の奴は頑張らないんだ」等々挙げればキリがないと思います。しかしそこで感情的になれば自分のモヤモヤは解消されるかもしれませんが、周りに大きな迷惑をかけてしまいます。そうではなく「ミスを責められているのではなく指摘してもらっている」「他のやつも自分の見えないところで頑張っている」そう思うと楽になると思います。思うことがあるのならば、冷静に他人と対話する方がよっぽど建設的ですね。ということで説教を垂れるのはここら辺にしておきます。


 長々と稚拙な文章を書いてしまいすみませんでした。いつもアホ面こいて、ぼーっとしていたので最後くらい許してください。


 最後になりましたが佐々木先生、土門コーチ、左海コーチ、藤本さん、塩谷さん、院生の方々、OBOGの方々、そして全ての名大ラグビー部に携わってくださった方々、本当にありがとうございました。コロナ禍という特殊な状況下において皆様のご協力がなければ私達はここまでやってこれませんでした。本当にお世話になりました。


 皆さん最後勝って終わりましょう。


 次は一年間FWリーダーを務めた横川に回します。普段はなんとも言えない年上オーラをまとっている彼ですが、試合では何度も彼の力強いスクラムに助けられました。ありがとう。あと少しよろしく。

2022年12月5日月曜日

できること

 部内随一の理性の強さと、それをさらに上回るチーム愛を持つ凛から番をもらいました、4年の二村杏太朗です。僕が何度鬱陶しく絡んでいっても、そのたびに無視せず対応してくれて感謝感謝です。悩みもだいぶたくさん聞いてもらったかと思います。ありがとう。


 はじめに、この文章を読んでくださっている皆さんへ注意があります。それは、ここから先の文章には僕の偏見や先入観に基づいた内容が多く含まれているということです。あくまで個人の一意見として流していただけると幸いです。


 それでは始めます。まず、皆さんに2つ、問いを投げようと思います。


問1.努力が才能に勝ることがある。○か✖️か?


問2.チームに必要の無い人間は1人もいない。○か✖️か?


 答えは両方とも✖️です。これから解説に移ります。

 まず問1について。これは僕の人生で解説できます。幼稚園で入団したサッカークラブでは下手なせいでいじめられ、小学4年で再び始めたサッカーでもレギュラーになれず年下にポジションを取られ、転校した先でやっとレギュラーになれたかと思えば中学最後の大会でPKを止められて負け、高校で懲りずに続けたサッカーも半年で挫折して辞め…。そしてラグビーを始めた後はどうだったかというのは、これを読んでくれている部員の皆さんが一番よく分かっていることと思います。対して、あまり力を入れず、人並みにしか努力していなかった学業は、なぜか周りの人、自分よりも努力しているであろう人よりもうまく運んでいきました。このように、僕の22年間あまりの人生は、人には得意不得意が明確に分かれていること、そしてそれは努力でどうにかなるものではないことを思い知るには十分すぎるものでした。

 ラグビーはよく、「どんな人でも輝ける」という一文とともに宣伝されることが多いですよね。新歓の時期に、僕たちは何度もこの台詞を使ってきたかと思います。考えてみると、よくこんな大嘘を平然とつけたものだなあ、と感心してしまいます。実際、凛や陸が先に述べてくれたように、様々な個性が活きるスポーツではあります。ヒットの強さ、タックルの上手さ、体の大きさ、パスの上手さ、体力、怪我のしにくさetc…。しかし、これらの能力を、努力しているにも関わらず1つも手に入れられない人間というのが一定数いることを、この一文は完全に無視しています。僕の場合は努力不足が原因かもしれませんが、明らかに努力しているにも関わらず自分の強みを見つけられなかった人間が、皆さんの周りにも1人はいたはずです。いない、と答える人は、おそらくそういう人がいたことに気づかなかっただけなのだと思います。

 次に、問2について。これに関しては、少し表現を誇張しすぎてしまったかもしれませんね。実際には、「チームには需要の濃い人と薄い人がいる」です。上手な選手は多少怪我をしていても試合に出場することを望まれますが、そうでない選手は違いますよね。これが「需要の差」です。ラグビーに限らず、スポーツでは勝つためにチームが最善手をとることは当たり前ですから、これは誰が悪いわけでもありません。強いて言うなら悪いのは能力の無い人ですが、そんな人はチームにとってなんのメリットにもならないのかと言われれば、それは違います。

 ではどんなことができるのか。僕が思うポイントを、2つ話そうと思います。

 まず1つ目は、「自分の武器を見つけること」です。陸や凛が既に話してくれていますね。これはとても単純な話で、何も武器が無いなら、それを見つけて磨けばいいわけです。実力の無かった人間が力をつければ、上の人間もそれに負けじと力を磨きます。追い越し追い越されの関係の中で互いを高め合う、正に切磋琢磨、ボトムアップというやつです。おそらくこれが、現状実力の無い人間が最もチームに貢献できる方法なのではないかな、と思います。元から才能が何も無かった僕には自分の武器を見つけることは敵いませんでしたが、後輩の皆さんには、必ず何か才能があるはずです。自分には才能が無いと考えている人がいたら、それはまだ見つかっていないだけ。皆さんには、それを見つけるのに十分すぎるほどの時間と、見つける努力ができる心の強さがあります。皆さんなら必ず見つけられると、僕は信じています。

 そして2つ目。これが最も大切で、それは、「誰にでもできることを誰よりもやる」ということです。おそらく、1つ目を達成するには時間がかかることでしょう。その間、どうやってチームに貢献するか。それはもう、誰にでもできることをするしかありません。練習の準備、試合前アップの準備、対戦相手の分析、練習中の声出し、フィットネス、アフター、戦術への理解、チームトーク時の発言、食トレ、スタッフさんのお手伝い、部活外の仕事(ごみ捨てや物の持ち運び、それぞれに割り当てられた広報や備品の仕事など)…。やれることは、探せば無限に出てきます。それらを率先して全てやるのです。特に、「誰もやりたがらないことをやる」ことが大切です。なぜなら、もしこれができれば、それは「自分にしかできないこと」となり、チームからの需要を生み出す「武器」となるからです。

 「プレーで活躍しなければ嬉しくもなんともない、雑用ばかりなんて…」と思うかもしれません。その通りです。プレーは評価されないのに雑用をやり続けるモチベーションを保ち続けるのは容易ではありません。そんな時はどうするか、僕の場合を参考までに話そうと思います、というか僕のことを話したいだけですが笑。僕は、辛い時、よく自分に次の問いを投げかけます。


問3.君はチームメイトが好きである、○か✖️か?


 答えは○です。100回くらい余裕で重ねられるほどの○です。特に同期はその中でも特別。スポーツで結果が残せず大のスポーツ嫌いになった僕が、なぜそれでもラグビーを続けているのか。それは、同期が大好きだからです。ドジで間抜けで役立たずな僕のことを、彼らは一度も下に見たり、見捨てたりすることがありませんでした(もしあったとしても、少なくとも、僕はそう感じたことはありません)。あくまで対等な立場で、間違っていることは厳しく叱ってくれたし、自主練習にも嫌な顔一つせず楽しそうに付き合ってくれた。覚えが悪い僕に、根気強く何度も教えてくれた。遊びにたくさん誘ってくれたし、くだらない話にも付き合ってくれた。試合に出られずサポートしかできなかった僕に、感謝の気持ちを伝えてくれた。僕の人生で、ここまで自分を大切にしてくれたと感じる仲間はいませんでした。そんな彼らが試合に勝って喜んでいる姿を想像すれば、自身が置かれている境遇などなんのことはありません。

 話を戻しますが、モチベーションが低下しそうな時は、仲間の顔を思い浮かべてみるのが良いかもしれません、というお話でした。


 ラグビーというのはチームスポーツです。チームというのは、何もフィールド内にいる選手だけではありません。フィールド内の選手が最も勝敗に大きく影響するのは間違いありませんが、試合に出られなかった人、日頃から練習・試合の準備や車の手配、怪我やコンディションの予防・ケアを徹底してくれるスタッフさん、それを補助してくださっている藤本さん、お忙しい中でも何度も部活に来て、的確なアドバイスやモチベーションを高める言葉でチームを支えてくださっている佐々木先生や土門さん、左海さん、塩谷さんなど、名大ラグビー部には多くの味方がついています。それぞれに「できること」は異なっていて、部へ貢献できる度合いにも差がありますが、それぞれが自身の「できること」を最大限頑張る限り、問2の答えは「○」であり続けます。部のメンバーそれぞれが、「自分がどれくらいチームに貢献できているか」よりも「自分が可能な限りのことをできているか」を考えて行動する姿こそ、僕の理想のチーム像であると考えています。


 次は、我らがバックスリーダーの奥田くんに回そうと思います。表に出さないだけで、彼は今年1年間とてつもない苦労をしてきたと思います。自己主張を抑え、感情を殺し、自分の利益よりも同期やチームを重んじる彼の姿勢に対して、僕は尊敬しています。誰にでもできることではない。あと2週間、もう少しだけ、一緒に頑張っていこう。

2022年12月2日金曜日

4年間で得たもの

 最近何かにつけて同期にいじられている山口君から回ってきました、4年の安田凜です。彼のツッコむ気も失せるような寒いギャグを聞く機会もぐっと少なくなると思うともの寂しいものがありますね。


 実は今書いている4年生の最後のブログの前半は順番をランダムで決めているのですが、大学からラグビーを始めた同じ初心者組のとっくん、陸と続いて自分に順番が回ってきたのは何かの因果と感じざるを得ません。思えば、学年が低かったときは特にですが、練習の際のモチベーションの多くは彼らに対する負けん気から来ていた気がします。経験者の同期や先輩方とは比較もできないような差がある中、この二人にはこの分野で勝ってやる、対面に立ったら絶対打ち勝ってやると勝手にライバル心バリバリで練習していたことを覚えています。初心者組は喧嘩ばかりしていると同期に揶揄されることもありましたが、そんな我も心も強い二人と一緒にラグビーができたからこそ、4年という長い間腐らずに高めあえたのかなと思っています。


 そして当然、初心者組に限らず同期全員とも数えきれないほどの苦楽を共にしてきました。学年によって同期の色というのはそれぞれ違うものだとは思いますが、自分達の代は我ながら仲の良い代なのではないかと思っています。練習後はしょっちゅう一緒にご飯を食べ、くだらない話からラグビーに関する話まで本当に多くのことを話しました。時にはその後が不安になるほどの喧嘩をすることもありましたが、それも全て全員が本気で向き合っているからこそで、その度に結束は強くなりました。低学年の時から試合に出場し、真摯に練習に励む同期の姿に鼓舞され、自分が部活にかける熱量もどんどん大きくなっていきました。この4年間で何度も挫折を味わい、部活を辞めようと本気で思ったことも一度や二度ではありません。それでもここまで続けてこれたのはひとえに彼らの存在があり、彼らと一緒に部活を続けたいという思いがあったからです。皆が同期で良かったと、心から思います。


 またこの4年間で多くの人と関わる機会をいただきました。


自分が入部したのは、当時4年生だった3学年上の先輩方が作るラグビー部の雰囲気の良さが故でした。練習外では賑やかに笑いあい、練習に入ると実力とリーダーシップで部全体を引っ張り、試合になると相手に勝つために全力を尽くす姿に憧れ、自分にとっての理想になりました。4年生になった今の自分達がそんな姿を後輩に見せられているのかは分かりませんが、そうできるようこの一年努力してきました。


2学年上の先輩方は部全体が強くなるための努力を惜しまない方々でした。シーズン開始当初に作っていただいた数々の戦術資料は何度も読み直し、ラグビーについての知識がまるで足りない自分の良い糧になりました。same pictureのスローガンの通り自分達の考えることを積極的に後輩に還元していく姿は見習おうと思いました。先輩方ほど上手くはできなかったとは思いますが、ボトムアップの精神は継げたのではないかと思っています。またこの年からポジションをハーフに転向した自分は練習でもミスばかりで迷惑をかけることも多かったのですが、それに根気よく付き合ってくださったことにとても感謝しています。特に院生になってからも頻繁に部活にきてくださった異常なほど面倒見の良い某先輩には、非常にお世話になりました。部活を辞めようと何度も思ったことは先述しましたが、様子のおかしい自分に目ざとく気づいて励ましてくれました。同期の存在とこの方の存在のどちらかでも欠けていれば間違いなく今まで部活を続けられてはいないので、対面では絶対に言いませんが本当に感謝しています。


また1学年上の先輩方は人数も少なく忙しい中、本当によく頑張っていました。3年生になっても自分のことで手一杯だったせいで、先輩方の助けになることは全然できませんでしたが、練習中でも様々なことを教わりました。練習メニューや筋トレ、食トレなど先輩方が始めた試みを継続、改良して今年に繋げた部分は数多く存在します。また今年に入ってからも院生として練習、試合で本当にお世話になりました。ありがとうございました。


そして自分達が4年生になり、今まで見てきた頼りになる先輩方のような背中を後輩に見せられるように1年間意識してきたつもりでしたが、後輩の皆さん、今年の4年生はどうだったでしょうか。至らない所は沢山あったし、その度に指摘を受けたり衝突したりしましたが、皆さんがこの1年間楽しくラグビーを続けられたならそんなに嬉しいことはありません。僕たちを見ていて良い所、悪い所のどちらも糧にして来年以降はもっと良いチームにしていってください。今の3年生は全員本当に信頼しています。来年は上手くチームをまとめていけることでしょう。2年生はみんなラグビーが上手だし最近ますますリーダーシップが見えてきて感心しています。是非チームの中核となって3年生を支えていってあげてください。1年生のガッツと向上心は本当に素晴らしいものだと思っています。人数も多くて元気の良い君たちが頑張るほどチームは必ず良い方向に動きます。遠慮なく先輩のケツを叩いてあげてください。


そして最後に、老婆心ながら後輩たちに伝えたいことがあります。


一つ目は、同期との関係を大事にすることです。多くの先輩、後輩、大人の方々と関わるとはいえ、一番深い関係を築くのは同期です。喜怒哀楽を共有するのも、間違ったことをしたときに道を正してくれるのも、辛いときに励ましてくれるのも、多くの場合同期の皆であるはずです。4年間の大学生活の中で、大小様々な困難が降りかかってくることでしょう。そんな時に互いに助け合える仲間がいるということが、あなた方のかけがえのない財産になるはずです。


もう一つは、何か一つ自分の強味を作ることです。(続けたかったのですが、前回の陸と内容がほとんど被ってしまうので省略して具体例を一つだけ…)自分はプレーに自信が持てなかったので、フィットネスで誰よりも多く走り、誰よりも全力で取り組もうと思いました。ラグビーの試合は相手との勝負である他、疲れて手を抜きそうになる自分との勝負という側面もあると思っています。ポジションの特性もありますが、技術で貢献できなくとも走る量で貢献できると思えば試合でのプレッシャーは少し緩和されました。結局は試合であと一歩を出すためのおまじないとしてのアドバイスなので内容は何でも構いませんが、大事なのは全力を出すことです。全力で準備をしたという一つのブレない軸が自分に自信を持ち、試合で悔いのないよう全力を尽くせるためのファクターになるはずです。


この4年間は本気でラグビーを打ち込めた良い時間ではありましたが、それ以上に尊敬できる人に出会い、応援していただける方に対する感謝を知り、自分のなかでの価値観が変わり、人間的に成長できた時間でした。最後に、ラグビー部に関与する全ての方々に簡単ですが感謝申し上げます。誠にありがとうございました。


4年生最後のブログも自分で折り返し、ここから後半に入ります。東大戦まであと2週間と少し。長い時間ではありませんができることはまだ沢山あります。今まで良い練習はできていましたが、名大ラグビー部ならまだ上げられるはずです。目標は一つ、勝利のみ。全力で行こう。


次は二村に回します。彼も僕同様に今まで沢山苦しんできたと思います。最後の1試合、一緒に全力を尽くそう。