2016年3月9日水曜日


いま、私のハートは熱く燃えたぎっている、今回はこの自分の中で熱くなっているモヤモヤを文章で表現する。
3月になり、永きにわたる冬を乗り越え、シーズンが始まる。チームとしては相も変わらず"A1昇格"という目標を掲げ
、その目標のもとに、互いに切磋琢磨する日々がまた始まる。入部して以来、毎年決まりごとのようにチーム目標となるA1昇格、このことに対する自分の中の想いというのが今シーズンに入ってから明らかに変わったように思われる。A1にいるチームとは、どんな選手が揃っているのか、リーグ戦のパンフレットを見ても、花園出場、花園出場、花園出場...自分は高校の時15人チームも組めないほどの弱小校であり、その時の自分から言えば雲の上の存在のような高校からやってきた猛者がゴロゴロ揃っている。正直、それを見たときは、ちびった。おいおい、こんな連中と試合すんのか。そして私が一年生の時の入れ替え戦、相手は名城大学、A1屈指の強豪校である。春シーズンに練習試合をしたときはなかなかの差で敗れている。どんな試合になるのか、その時ボールボーイをしていた私は固唾を飲む。しかし、先輩方はその強豪校を相手に堂々と互角に渡り合っている。正直その先輩方の姿を見た時は、ちびった。しかし試合は惜しくも3点差で敗退。試合間際にキャプテンが放ったドロップキックが、ポールの左にそれていくのを、ボールボーイであった私は今でも鮮明に思い出せる。しかしそんな偉大な先輩方の残していった結果によって、俺たちもA1にいけるいけるんじゃないか、というあてもない自信が私の心に浸透していった。そして次のシーズンに入り、前のシーズンで勇姿を披露した先輩方の大半は引退し、新チームとして始動。私としては、レギュラーの座は取れないでも、まだ2年だから仕方ないという気持ちでなんとなく練習し、なんとなく筋トレし、そして時には例のあてもない自信で心を満たし、そんなことを繰り返しながらなんとなく時を過ごしていた。しかし迎えたリーグ戦、結果は入れ替え戦にも出場できなかった。俺は何をしていたのか。レギュラーをとれないながらもなぜチームの中で自分の役割を見出し、チームの底上げに務めようとしなかったのか。何も考えずにシーズンを過ごしてしまったことをその時ばかりはひどく後悔した。自分が憎らしくも思えた。もともとは大学で団体競技をしていたら就活に有利そうだからという理由で入部し、4年間をなんとなく過ごすつもりであったが、実際こうして過ごしてみると、だんだんこのA1昇格という目標が自分のハートを熱く煮えたぎらさせるのが手に取るようにわかる。なぜこんな一銭にもからない苦しいことに時間を使ってるのか、何回も考えたが、ようやくここにきて気づいたことがある。自分のこれからの大学生活の全てをかけてでもつかみとる、A1昇格にはそれだけの価値がある。今シーズン、着実に努力を重ね、昨シーズンもっていたあてのない幻想を、確実な自信へとかえていく。学業、金銭、恋愛、この時期の大学生は様々な要素に追われ、それらのバランスを保とうともがき続ける。しかし私はいかなることが頭をよぎろうとも、一心にタックルをする。そう、まるで産卵の時期を迎え一心に子孫を残すことのみに没頭し、川をたくましく遡上する鮭のように。
今シーズン、リーグ戦最終戦、スキル、フィジカル、ストラテジー、全てにおいてチームとして磨きをかけ、臨むA1昇格をかけた入れ替え戦。相手はA1に君臨し続ける強豪校、緊張テンション最高潮。ゲーム終盤、それまで拮抗したゲーム展開を繰り広げてきたが、ついにレフリーからラストワンプレーが宣言される。マイボールスクラム、その瞬間組まれたのは奇しくも、この日うちにとって最悪のスクラム、しかしフッカーが必死にボールをかきだし、なんとかハーフがスクラムからボールをさばき出す。四次攻撃目に、敵陣において相手の反則によりペナルティゴールのチャンスを得る。しかしポールに対して、距離、角度、ともに難しい位置。天候は肌寒く、北風強し。キッカーは、なぜか俺。正キッカーはどうやら足をつっているらしい。グラウンドの隅のほうでスタッフに足を伸ばされているのが視界にうつる。満身創痍、全員が肩で息をしている中、俺の周りだけは妙なしずけさに襲われる。とりあえずお決まりのルーティーンをしてみる。しかし指を組んだ瞬間に強風によりボールが倒れる。レフリーと目を合わせ、落ち着いてセッティングし直す。そして後ろに三歩、左に二歩歩みを進め、呼吸を整える。そしてキックを放った瞬間、前日の雨でぬかるんだ地面に足を滑らせ、転倒する。最悪だ。終わったか?地面に倒れ伏し、芝の香りが鼻をついた瞬間、味方チームの方から歓声が上がる。レフリーのホイッスルと共に前を見上げる。キャプテンが汗と涙でしわくちゃになった塩気の効いた笑顔で向かってくる。ついでチームメイトが次々と集まり、熱気、感動に満たされた円陣が構成される。皆が人差し指を天に突き刺し、雄叫びを挙げている。私はゆっくりと立ちあがり、キャプテンと熱い握手とハグを交わす。

とまあまあ、そんなことを妄想しながら、今日もアプリで麻雀を打ち続けるわたくしなのでした。

次回の特集は、渥美竣介、揺るがぬ闘志、溢れ出るA1への想い、です。お楽しみに。

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