「ラグビーとフィットネス」
4年 澁谷勇輝
なかなかクセのあるタイトルのブログを書いていた石黒君から回ってきましたが、このブログの内容はあくまでも普通です。大変申し訳ありませんが、彼のように特に添えるものもありません。彼は僕のことを名大ラグビー部の頭脳と形容してくれましたが、まだまだ力不足を実感する日々で、今後も精進していきたいと思います。
今回のテーマはフィットネスについてです。
フィットネスとは一般的に持久力を指すことが多い言葉で、名大ラグビー部においてもフィットネスの練習と言えば苦しい、辛いものです。そのため多くの部員に忌避されるものですが、一方で必要不可欠であることも確かです。
ラグビーは『闘球』と書かれる通り、格闘技のような側面を持つコンタクトスポーツです。しかし一方で『フットボール』と言われる通り、フィールドで行われる球技です。球技の中ではサッカーに並ぶほど長距離走るともいわれ、ラグビーが引き分けでも延長戦などを行わないのは人間がラグビーをできる限界の時間が80分だからという説もあります。それぐらい体力的に苦しい競技です。
なぜ練習の中でフィットネスをつけるのか。まず一つ目の理由は試合や練習の中で効率よく経験を積み、成長するためです。
例えば、ある練習試合で負けたとします。名大ラグビー部では試合の後には必ずミーティングを行って反省を出し、次の練習や試合につなげるようにしています。しかしここで相手に体力的に負けていたことが敗因となった場合、このミーティングでそれ以上の反省を出すことができません。そんな反省に基づいて組まれる次の試合までの練習はどうなるでしょうか。もしその課題をクリアすることを目的にするならただひたすらにフィットネスをつける練習に終始することになります。これでは建設的にチームのレベルアップをしているとは言えません。練習試合や試合の中では、試合の中でしか感じることができない流れや戦術についての反省を重ねていくことが、それ以降の成長に最も重要で効率的であると考えています。
二つ目の理由としては、苦しい場面での精神的な強さを養うためです。
試合の中で、特に実力が拮抗していたり、格上の相手だったりする場合、必ず苦しい時間帯があります。相手が強ければ強いほどその時間は長いことが多いです。ここで安易に失点していたり、ミスを重ねたりしていては勝つことはできません。ここで我慢することができるかどうかの精神力を養うものであると思っています。
三つ目の理由は、試合を楽しむためです。個人的にはこれが最も大きな理由であると思っています。
部員と話していても、上級生に限らず下級生でも試合は楽しいというのは共通であるようです。しかし、楽しむためには大前提として精神的な余裕がないといけません。究極的には勝敗についてだけ考えるならば80分の試合で限界まで体力を使って最後に勝っていればいいわけですが、体力的に苦しい試合は得てして楽しかったという印象よりも苦しかったという印象のほうが残りがちです。僕も試合では極力楽に試合を運べるようにしていますが、戦術のミスやどうしても苦しい選択をせざるを得ないときもあります。また相手がボールを持っている時間はそもそも戦術の支配権がありません。そのような試合でも楽しむにはそれぞれが十分に体力をもって、どんな試合展開でも余るだけの体力を持っている必要があります。
ラグビーにおけるフィットネスとは、数学における計算力のようなものであると考えています。ないとできないが、こればかりあっても強くなるわけではありません。そして練習の中でフィットネスをすると時間、体力、精神力を多く使うことになるため、必要であることはわかっていながらもできるだけ少なくしたいものでもあり、そのためには個々人の影の努力が必要な部分でもあります。
この後は4年生一のフィットネスお化け、岡君につなぎたいと思います。
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